4651 サニックス FY18 4Q 決算分析 - 経済白書

しかし敗戦によって落ち込んだ谷が深かったという事実そのものが、その谷からはい上がるスピードを速やからしめたという事情も忘れることはできない。 -中略-
消費者は常にもっと多く物を買おうと心掛け、企業者は常にもっと多くを投資しようと待ち構えていた。いまや経済の回復による浮揚力はほぼ使い尽くされた。なるほど、貧乏な日本のこと故、世界の他の国々に比べれば、消費や投資の潜在需要はまだ高いかもしれないが、戦後の一時期に比べれば、その欲望の熾烈さは明らかに減少した。もはや「戦後」ではない。
我々はいまや異なった事態に当面しようとしている。回復を通じての成長は終わった。今後の成長は近代化によって支えられる。

-中略-
 我々は日々に進みゆく世界の技術とそれが変えてゆく世界の環境に一日も早く自らを適応せしめねばならない。もしそれを怠るならば、先進工業国との間に質的な技術水準においてますます大きな差がつけられるばかりではなく、長期計画によって自国の工業化を進展している後進国との間の工業生産の量的な開きも次第に狭められるであろう。
昭和31年度 経済企画庁 年次経済報告 結語より抜粋


今から60年前に記されたこの文章を読むたびに、僕は、三丁目の夕日に出ていた堀北真希メッチャかわいかったなって思います。
堀北真希の谷間は深くはないけれど、もはや「処女」ではないけれど、僕らは現実を生きていかなければならないと、日々思っています。
という事で、サニックスのFY18本決算を踏まえて分析をしてみたいと思います。
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まずは、現中計とこれまでの実績で全体像を見てみます。

過去2年共に、売上、営業利益共に計画を達成してきています。更に言うと、FY17では約8億 FY18では約4億の一時要因(だよね、、今年はないよね、、、)と見なせる在庫評価損を計上しています。その上で、計画値を達成してきていますので、業績は順調と考えてよいと捉えています。
今期に関しては、中計とほぼ同じ数字を計画にしていますが、FY18で業績に対してネガティブな影響を与えた以下事象が取り除かれると、上振れる可能性は高いのではと考えています。
・改正FIT法関連で、行政側の手続きで混乱が発生し業績に影響を与えた点
・2期連続で計上している在庫評価損の発生


では次に、セグメント別の売上、利益、利益率の推移を確認してみます。
尚、これ以降僕の作成したグラフにおいては全て、SE部門で過去2年で発生した在庫評価損は一時要因とみなして全て除外した形で数字を作っています。


売上面では、環境部分が過半を占めるようになり、
利益面では、HS・ES部門の利益率の高さ及びSE部門の利益率の改善が特徴となってきています。
かつての、太陽光バブルにのり太陽光に大きく傾注した会社ではもはやなく、3つの事業領域か安定して利益を獲得出来る体質に変わっているのが分かります。
そう、そういえば、今回の決算で継続疑義も取れましたね。


もはやクソ株ではなく、成長の息吹を感じられる企業ですが、依然として市場からの信認は得られていないのではと考えています。


これまでは、SE部門にフォーカスした投稿が多かったですが、今日はHS部門についてみてみます。HS部門、かつてはHentai Sex部門かと勘違いしていたのですが、正しくはHome Sanitation部門でした。誤解を招く記述であった点、アルファブロガーとして大変反省しております。
尚、HS部門はシロアリ防除や床下換気システムの設置、地震対策などを行っている部門です。
かつてシロアリ防除では業界トップであったものの、強引な営業により問題が発生。
その後は新規営業を停止していたが、昨年よりSE部門から大きく人員を異動させ、新規営業を再開している部門となります。
HS部門の商品構成は以下の通り。

SE部門との比較の観点で、両部門の損益分岐点グラフを3年分並べてみます。
グラフのスケールは合わせてあります。数字は月額ベースでの数字で出してあります(決算説明資料の数値が月額となっている為)


読み取れる事実と、そこから都合よく解釈した感想は以下です。
・SEに対して、HS部門では非常に限界利益率が高い。
 ->売上伸びるとメッチャ儲かる
・SE HS部門共に、限界利益率が向上している。
 ->収益構造が改善している
・SE部門では、売上/損益分岐点共に下降
 ->市場の縮小に先駆けて損益分析点を適切に下げられている
・HS部門の固定費は増加
 ->SEからの人員異動


まてまて、そもそもHS部門が対象としてる業界ってどんなとこよ。という心の声が聞こえてきました。
シロアリ防除部分にフォーカスして、市場をみてみましょう。
害虫駆除全体はPCO市場、シロアリ防除はTCO市場と呼ばれています。英語の略は良く分かりませんが、恐らく、Penis Control OrganismとTinko Control Organismだと思います。
サニックスHS部門の競合他社と考えられるアサンテ社、会社説明資料に分かりやすいものがあったので転載です。ちなみに、アサンテ社長の宗政誠氏は、サニックス創業社長宗政伸一氏のお兄さんです。
A社ってのが多分サニックスかと
ストックビジネスの側面ありますね
バター犬じゃないよ


更に、シェアリングテクノロジー社の成長可能性wに関する資料にもTCO市場全体のグラフがありましたので転載です。




全体を通してみると
・大きく伸びている市場ではない。かといって縮小もしていない。
・寡占的な企業は存在していない。
・潜在需要は大きいのかもしれない。
といった感じですね。
アサンテ、ちょっと興味出てきましたね。
という事で、サニックスのHS部門と比較してみましょう。まずは、アサンテ社の売上構成を確認です。


サニックスHS部門の売上構成と比較すると、アサンテはシロアリ、湿気、地震で95%を占めますが、サニックスHS部門の場合には、その割合は7割弱で、残り3割が「その他」に分類されるサービスとなっています。
また、アサンテのシロアリ部門は新規と更新で半々となってます。一方、サニックスはこれまで更新しかしていなかったはずなので、新規営業再開した事はサニックスのupside要因となるかもですね。
最後に、アサンテ社とサニックスHS部門の業績を比較してみます。



特徴は
・サニックスの売上がアサンテに近づきつつある。
・アサンテめっちゃ粗利率が高い
粗利率がここまで違うのは、恐らく製品ミックスに起因しているのではと思います。
有報の原価明細等踏まえて試算すると、労務費部分では大きな差はなく、材料費若しくは経費部分の違いと思われます。サニックスの「その他」製品部分の原価が高いのではなかろうかと。

という事で、長くなりましたが結論です。

堀北真希はもはや処女ではない。

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