東京のマンション相場は高い。という誤解

東京のマンション相場が高くなっている、マンションが高すぎて買えない、といった記事をよく見かけます。
本当に高くなっているのでしょうか。高くなっているのならば、何故、それでも買う(買える)人たちがいるのでしょうか。今回の記事では、そういった事を書いてみたいと思います。

記事の内容です。

  1. 東京のマンションは、高い
  2. しかし、東京都民の世帯収入も伸びている
  3. よって、世帯年収倍率はそれほど高くない
3行でイッテしまいました。早漏すぎてもったいないので、一応書いておいきます。

1.東京のマンションは高い

マンション価格は高いです。
東京だけではなく、全国的に高く、2010年比で1.7倍程度になっています。
2010年、小惑星探査機はやぶさが帰還した年、あの頃3000万円で買えたマンションが、今では5000万になっている。そんな感じです。

マンションの不動産価格指数
国土交通省公表不動産価格指数-マンション-2010年-2021年

2.東京都民の世帯年収は伸びている

東京都民の世帯年収はいくらなのか?

東京都の統計サイト(都民のくらしむき)では、収入7分位(世帯収入が少ない順に7つのグループに分類)での統計等も出ているので、これを使って色々と集計をしてみました。

第7階層エグい

結果として、東京都民の世帯年収はここ数年、一貫して伸びており、勤労者世帯の世帯年収平均は、900万弱(2020/12 - 2021/11の合計)です。東京の人はすごいですね。

上位1/7の第7階層世帯の世帯平均年収(2020年)は、驚愕の2166万円
その次の、第6階層世帯でも、世帯平均年収は1064万円です。羨ましい。
いわゆる、パワーカップル世帯というのがこの辺りの方々なんですかね。

各階層別の年収推移等をより詳しく知りたい方は、こちらから確認出来ます(東京都民世帯年収推移-階層別)。

2007年以降の世帯年収平均と世帯有業人員(世帯の中で働いている人の数)の推移をグラフにしたのが下記です。
世帯有業人員が安倍政権以降で増加し、それに少し遅れて2018年頃から大きく世帯年収が伸びています。


世帯年収900万が東京都全体での平均 23区内だともっと高そう



3.よって、世帯年収倍率はそれほど高くない

マンション価格÷世帯年収 で世帯年収倍率を計算した結果が下記グラフです。
  • マンション価格は2012年以降右肩上がり
  • 2012年頃からの5年間、年収倍率も向上している
  • 最近5年間では、世帯年収倍率は横ばい

東京のマンション価格と年収倍率の推移


結論

マンション「価格」は上がっているが、世帯収入の伸びがあるので、購入者は特別無理をして買っている訳ではない。よって、「相場」としては妥当なのかと思います。

また、記事内で利用したグラフですが、Google dataportalを利用して作成してみました。
簡単にお洒落なグラフが作成出来て良いですね。各種分析軸を自分で変更してデータ確認出来ます。
公開設定にしてるので興味ある方はリンクからご利用を。スマホよりPCの方が見やすいです。

不動産価格指数の時系列推移
不動産価格推移グラフ

東京都民の世帯年収推移
東京都世帯年収グラフ

マンションの年収倍率
年収倍率グラフ


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